土曜自由大学

春と秋の土曜日に行っている無料講座「土曜自由大学」のご案内です。

土曜自由大学とは

本学の「人文科学研究所」「キリスト教文化研究所」と「品川区」が共催で、春は5月、秋は10月の土曜日に行っている無料の公開講座です。各分野の専門家の講義を一般の方に聴いていただこうという趣旨の講座です。品川区を通じてお申し込みいただけます。ぜひご参加ください。
土曜自由大学


第42回土曜自由大学(秋のコース)プログラム

2024年10月5日(土)

13:10~

開講式挨拶

清泉女子大学 キリスト教文化研究所所長              松井 ケテイ (まつい けてぃ)

13:20~14:40

●テーマ
様々な宗教の連携による平和構築

●講演要旨
 2001年米国多発テロ以降、各国政府や国際機関では平和問題における宗教の役割の重要性への認識が高まっている。宗教が平和を阻害する要因になることもあれば平和構築に資する可能性もある。そして近年、様々な宗教が連携し、紛争和解や軍縮、環境問題などの分野で影響力を及ぼす活動が活発になってきている。50年以上の歴史を刻む国際諸宗教機関であるWCRPの紛争和解の取り組みを学びながら、宗教が平和構築に果たすべき可能性について考察する。


●講師
公益財団法人世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会事務局長   篠原 祥哲(しのはら よしのり)
立正佼成会入職後、2005年よりWCRP日本委員会に勤務。紛争和解、軍縮、気候変動、難民、人権などの問題を担当。また同仙台事務所所長として東日本大震災の復興支援に従事した。英国?ブラッドフォード大学院平和学、東北大学公共政策大学院修了、東京大学人間の安全保障プログラム博士課程修了。博士(国際貢献)。21年博士論文で東京大学「一高記念賞」受賞。同年にアジア宗教者平和会議ACRP事務総長にも就任。

14:50~16:10

●テーマ
2つの宗教の狭間で
 —『ドン?キホーテ』のなかの改宗者—

●講演要旨
 16、17世紀のヨーロッパは、宗教改革やイスラームの脅威によって大きく揺れ動いた時代ですが、スペインは、国家を統制する手段として、キリスト教カトリックによる国内統一を押し進めました。この強引な政策はスペイン社会に多大な混乱と軋轢を生むことになります。この時期に書かれた小説『ドン?キホーテ』には、カトリックとイスラームの狭間で葛藤する人たちが登場します。歴史背景を概観した上で、宗教的境界に生きる人たちに注目して小説を読み解きます。


●講師
清泉女子大学スペイン語スペイン文学科教授   齊藤 文子(さいとう あやこ)
東京大学名誉教授。2022年より清泉女子大学教授。専門はスペイン語圏の文学、なかでも16、17世紀のスペイン文学。小説の背後にある社会が作品のなかにどのように現れているかを探っています。共著に『彼方からの声』(2007)、『日本?スペイン交流史』(2010)など。最近の論考に「セルバンテスが描くジプシー」(『Odysseus』26、2022)、「周縁者に声を与える:セルバンテスの作品のなかの妖術使いと魔女」(『清泉女子大学紀要』71、2024)など。

2024年10月12日(土)

13:20~14:40

●テーマ
インターネットと境界:連帯と分断に揺れる国際社会が向かう先

●講演要旨
 インターネットの黎明期は、「国境を簡単に飛び越える」という特徴が大きな期待と共に語られていました。冷戦が終わり、国際的な協調についても楽観的な希望が満ちていたように思います。ところが、近年では、インターネットが新たな「壁」を生み出していることがわかってきました。ソーシャルメディアが、政治の分極化を加速させているという懸念も示されています。本講演では、過去30年間を振り返りながら、連帯と分断に揺れる国際社会の未来について、インターネットをめぐる変化と共に考えてみたいと思います。


●講師
清泉女子大学地球市民学科教授   山本 達也(やまもと たつや)
慶應義塾大学大学院政策?メディア研究科後期博士課程修了。博士(政策?メディア)。専攻は、国際関係論、公共政策論、情報社会論。技術と社会変動にまつわる政治と政策を中心に研究を行う。著書に、『地域間共生と技術:技術は対立を緩和するか』(共著、早稲田大学出版会)、『暮らしと世界のリデザイン:成長の限界とその先の未来』(花伝社)、『ポスト?グローバル化と政治のゆくえ』(共著、ナカニシヤ出版)など多数。

14:50~16:10

●テーマ
日本人とフィリピン人の間
 ―フィリピン「残留日本人」の間で続く日本国籍取得


●講演要旨
 フィリピンには近年、「残留日本人」と呼ばれるようになった、戦前の日本人移民の子供(日系二世)が数千人います。しかし、日本政府は彼らを「日本人」とはみなさず、海外在留邦人支援の対象にもしてきませんでした。その流れはここ数年、変わり、彼らが日本で戸籍をつくる「就籍」の支援にも政府は本腰を入れ始めています。
 なぜ彼らは最近になって「残留日本人」と認められるようになったのか。二世が日本国籍を取ることは、その一族や地域社会にどのような影響を与えているのか。新聞記者時代以来、40年近く彼らと交流し、彼らの問題を世に提起してきた講師が、二つの国の「境界」で生きてきた日系二世やその子孫のいまを報告します。


●講師
京都大学東南アジア地域研究研究所連携教授、清泉女子大学人文科学研究所客員所員   大野 俊(おおの しゅん)
九州大学理学部卒業後、毎日新聞社で22年余り記者として勤務。早期退職後、オーストラリア国立大学でPhD取得(東アジア?東南アジア研究)。その後、九州大学アジア総合政策センター教授?センター長などを経て、清泉女子大学で地球市民学科教授や人文科学研究所長を務めた。単著に『ハポンーフィリピン日系人の長い戦後』(第三書館)など、編著に『メディア文化と相互イメージ形成ー日中韓の新たな課題』(九州大学出版会)などがある。


申し込み方法

必要事項

往復はがきに「清泉女子大学“土曜自由大学”希望」として、
以下をご記入のうえ、下記宛にお送りください。
?住所
?氏名(ふりがな)
?年齢
?連絡先電話番号
?視覚、聴覚等の配慮希望の有無

〒140-8715 品川区広町2-1-36 
  品川区文化観光戦略課 生涯学習係 まで

※品川区ホームページから電子申請もできます。
品川区ホームページの電子申請からお申込みください。

申込期間(秋のコース)

9月1日(日)~ 9月20日(金)〈必着〉

受講にあたって

受講料無料
受講対象者16歳以上で受講を希望される方
定員150名(定員を超えた場合は抽選)抽選の結果は9月25日以降になります。
会場清泉女子大学 2号館4階 240教室
受講上の
注意
?受講には品川区発行の受講証が必要です。
 受講を希望される方は、必ず申込手続きをお取りくださいますようお願いいたします。
?いただいた個人情報は(1)出席簿の作成(2)事務連絡(3)統計資料作成を目的に使用させていただきます。

お問い合わせ先

品川区文化観光戦略課 生涯学習係     
TEL:03-5742-6837(直)  FAX:03-5742-6893